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マンガ

池野恋×名久井直子×ゆかしなもんトークイベント【80年代のりぼんとふろくについて貴重な対談】

11月10日(日)、青山ブックブックセンター本店で開催された
『'80s少女漫画ふろくコレクション』刊行記念 ゆかしなもんトークショー」に行ってきました。

約1ヵ月前の
10月11日。

ゆかしなさんのツイートを見て、早々にイベントを申し込んだわたくし。

https://twitter.com/showateki_girly/status/1182537226535653376?s=21

なかなかイベントがない池野恋先生とのトークショー!
りぼん箱推しの私も見逃せず、当日を楽しみにしてました!

☆トークショーの内容、感想

今回のゲストについて

今回のゲストはりぼんで長年連載されていたベテラン漫画家「池野恋」先生、そしてグラフィックデザイナー・装丁家の「名久井直子」さん。

池野恋先生は80~90年代に集英社りぼんで活躍されていた方で、代表作は「ときめきトゥナイト」「りりかSOS」など。

現在もときめきトゥナイトの短編やエッセイを描かれている当時のりぼんっ子に絶大な人気を誇っています。


名久井さんは 池野先生のコミックスの装丁を多く手掛けられている方でときめきミッドナイトから始まり、ときめきトゥナイト 真壁俊の事情、ときめきまんが道等の装丁を担当されたそうです。

”装丁とは書籍の表紙,カバー,外箱,タイトル・ページのデザイン,および材質の選択を含めて装本を製作すること。

今回のイベントのきっかけ

ゲストとしてお二人が呼ばれたのは、ゆかしなさんのTwitterを名久井さんがフォローしたこと。

また名久井さんがゆかしなさんの本のゲラを見た時に、「この方は池野先生とお話したいんじゃないだろうか」と、お二人のキューピッド役になったことがきっかけとお話されていました。

名久井さんは幼少のころからりぼんっ子で、池野恋先生の大ファン。

「池野恋先生が好き」と言い続けていたら、池野先生の装丁のお仕事が来たそうです。言霊ってあるんですね…!すごい。


「 真壁俊の事情 」の時は名久井さん自身がラフを描き、先生に「どうですか」と確認をされたそう。

「 真壁俊の事情 」の表紙、真壁君がロッキーを持ってるイラストも名久井先生が提案されたそうです。コミックスのカバーイラストの構成なんかは漫画家自身がされるんだと思っていたので意外でした。
装丁のお仕事についても知れて、とても貴重なお話でした。

池野恋先生の昔の遍歴

幼少時代はりぼんはたまに買ってもらっていたそうで、週刊マーガレットを主に熟読。

「ベルサイユのばら」の連載が終わった後マーガレットは卒業し、

当時陸奥A子先生などの連載があっていたりぼんを友達から見せてもらった際に「りぼんはすごい…!」と思いまた買い始めたそうです。

りぼんでデビューした後

りぼんに投稿し、デビューが決まった時は実感がなく、「わたしこれで漫画家になって、今後作品がりぼんに載るんですか…?」と疑問に思ったりしたそうです(笑)

当時は、もちろん全ての作品が楽しみだったが「星の瞳のシルエット」や萩岩睦美先生の作品を特に楽しみにしていたそう。

 「ときめきトゥナイト」 連載時はまだ普通に一般職もやっていたそうです。
その時のお話がエッセイになっているので、興味のある方はご覧になってください。

りぼんのふろくについて

ゆかしなさんの 『'80s少女漫画ふろくコレクション』にも掲載されている付録の資料を見ながら、色々とお話を聞けました。

ふろくに描かれるイラストの依頼は、発売の約5ヶ月前に来るんだそう。

今はメールでやり取りできますが、昔は郵送でやり取りされていたそうです。

また1つのふろくにアイデアを3案くらい出し、その中の1つが実際にふろくに使われるらしい。没になった案が見たい…

ピーターパンをモチーフにしたイラストを提案したけど、何度も没になったそうな。

絶対かわいいじゃん!!!

りぼん展に展示されていた表紙の没イラスト、あれすっごい可愛くて好きだったのでああいうのもたくさんあるんだろうなぁ…と思ってしまった。


ふろくのイラストについて、テーマが決まったら間違いがないように描き起こすことを大事にしていて例えば世界旅行がテーマのトランプのふろくでは、世界の衣装や行事に間違いがないよう資料集などの本などを見て確認しつつ、イラストにしていたそうです。

当時はネットが普及していたわけではないので大変だったのでは?という質問にも、「あまり覚えていなくて…」と仰っていました。


お話の節々に「覚えていない」と仰っていたのが印象的で、本当に忙しかったんだなと感じました。

アニメ化された影響もあり、漫画にふろくにコミックス作業…作業量が膨大だったかと思います。漫画だけでも本誌、ふろく(別冊)、増刊があるので、その忙しさは計り知れないです。


名久井さんが「池野先生が描く女の子のドレッシーな服がおしゃれで好き」と仰っていて、会場の皆さんも頷いていらっしゃいました。

先生曰く、キャラクターの衣装はファッション誌を見たりウインドウショッピングをしたりして参考にしてらしたそうです。

「ときめきトゥナイト」のふろくのジャンボポスターの蘭世が着ている赤いワンピースは、当時先生が持っていたものと仰っていました。

また、「蘭世の制服もストライプで珍しくてかわいいのですが、どうやって決めたのでしょうか」という名久井さんの質問には「セーラーにはしたかったけど、普通のものにはしたくなかった。

特にモデルにしたものはないですが、なんでこれにしたかは定かではないw」と仰っていました。

☆質疑応答

蘭世の髪がどんどん変化していくのにはなにか理由があるんでしょうか?

そこつっこまれると…w 初めから定まっていたものではなかったので、その時のイメージで金髪だったりグレーがかっていたり、変化を遂げて今の黒髪に落ち着いた。

初期のイラストがここ最近グッズ化されていますがどんなお気持ちでしょうか?

「え、これですか」という気持ちは正直ある。でも選んでくださったものだし一度世に出たものなのでありがたいなという気持ちです。

当時の付録で印象的なもの、お気に入りなものは?

トランプや絵ハガキ。大変だけど楽しかったです。他の作家さんものものだと萩岩睦美先生のもの。かわいくて好きでした。

当時のスケジュール調整は?

今は徹夜はないですが当時は…(笑) 基本前倒しで調整していました。真壁俊の事情は描き下ろしなので大変でした。当時の息抜きはFFやドラクエをやっていました。今はポケ森、ドラクエウォークもやっています。

当時の付録やグッズは全て保管しているんでしょうか?

全てあります。付録は組み立てるのが好きだったので一度組み立てて、解体して保管しているのでかさばっていますが(笑) 原稿などは当時は一枚一枚クリアファイルで保管していましたが、今は貸し出しなどで(グッズや原画展などの)出し入れが多いので、一枚ずつ保管する時間がなく一つの袋にどさっと入れている。

客層は女性9.5 : 男性0.5くらい。

世代的に40前後の方が多いのかな?
お子さん連れの方も何組かいらっしゃいました。

お子さんもりぼんっ子なのかしら…と勝手に想像してみたり。
普段ツイッターでやり取りされていて今日初めて会う!みたいな方が何人かいらっしゃいました。

歳を重ねても同じ趣味の新しいお友達を作れる、出会えるって素敵やん…とほのぼのしました。

トークイベントを終えて

ゆかしなさんのイベントは初めて参加したんですが、とても楽しかったです。

内容・構成もですが、途中に挟んでくる当時の読者のコメントを抜粋してくるとことか(笑) 当時のノリというか雰囲気が伝わってきました。

ゆかしなさん、名久井さん共に池野先生、またりぼんへの愛をとても感じられてコメント1つ1つが来場者の気持ちを代弁しているような、そんな感じがしました。

また違うゲストで、違う観点などでりぼんや当時の幼年誌のふろくについてトークイベントがあったら行きたいなぁと思いました。

ゆかしなさんの本も全部見てて楽しいので是非見ていただきたいです!

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